「庭の家」— どの窓からも成立する、
四季を愛でるための空間設計
住まいが庭を求め、庭が暮らしを彩る。
伊勢崎市T様邸。素晴らしい和風建築。この家のテーマは「庭の家」でした。窓の配置はすべて庭を眺めるためのもの。だからこそ、どの角度からも死角を許さない、完璧な構成が求められました。憧れの囲炉裏がある部屋から、居間から、そして玄関から。職人魂が燃え上がった現場の全記録です。
1. 造成と波乱:高低差が生む奥行き
庭と駐車スペースに高低差をつけるため、大規模な掘削を実施。しかし、予期せぬ場所に太い水道管が……。ブッタ切った瞬間、現場は湖状態。しかし、そんな障害こそが職人を燃え立たせます。
2. 植栽と石組み:命の骨格を組む
石よりも植木を優先。5m超えのヤマボウシを核に、モミジやアオダモで玄関を包みます。そして鳥海石の投入。たまたま発見した「水の溜まる石」をメインに据え、物語を紡ぎます。
3. 鉄平石の階段と夜を徹した挑戦
おばあちゃんの手押し車を考慮しつつも、回遊性を高めるためのサプライズ階段。諏訪鉄平石のまばらな厚みを「自然に歩ける」よう調整。10月の短い日没は投光器でねじ伏せ、モチベーションを倍増させます。
4. 細部への拘り:下草と主役の梅
クラマシダやセキショウが石を柔らかく包み、横浜の名品「枝垂れ梅(藤牡丹)」が天高く舞い上がる。居間からの飛び石は、どこまでも続くような広がりを。北山杉(台杉)が風格を添え、庭は完成へと向かいます。
5. 仕上げの土間と砂利:庭が浮き出る瞬間
スーパー職人・山田さんの手による完璧な土間コンクリート。そして最後のお楽しみ、砂利入れ。白い粉を水で洗い流した瞬間、庭全体がパッと明るくなり、広がりが生まれます。最高に気持ち良い瞬間です。
完 成:窓の数だけ、物語がある
後日、絶好の撮影日和。新しいカメラで捉えた、T様邸の本当の姿。玄関から、居間から、そして囲炉裏から。四季を手に入れた「庭の家」をご堪能ください。
モミジとアオダモが迎える門。
垂直と斜の絶妙なバランス。
目線を通す、計算された配置。
葉のない季節も、石が魅せる。
美しい幹を贅沢に楽しむ。
思わず振り返る、見事な景。
これこそが、こだわりのメインビュー。
幹が醸し出す、上質な時間。
車を隠し、景色を活かす造成の妙。
どこまでも続くような奥行き。
再び、雑木の中へ。
春が待ち遠しい。
足元の彩りも抜かりなく。
いつの間にか外へ繋がる動線。
振り返れば、すべてが一望できる。
散り際の美学。
冬こそ、石とサツキの出番。そして、待ちわびた春の開花。
藤牡丹、開花。見事!
満開直前の美しさ。
町の景色になった瞬間。
次々と命が立ち上がる。
次は私の番。
色彩が庭を埋め尽くす。
モミジの新芽が初々しい。
毎年奇跡を見ているようです。
爽やかな「涼」の始まり。
実は花もこんなに綺麗。
プライバシーと景観の両立。
豊作の予感漂う芽。
緑が石を蘇らせる。
独立した景の美しさ。
「重たい」と言わんばかりの花数!
ツリバナとモミジが添える涼。
落葉樹の淡い緑で統一。
内と外の絶妙な境界。
ここで過ごす時間は、何物にも代えがたい。
ただいまを彩る緑。
伸びやかな開放感。
工事中からの大切な相棒!
T様、この度は「自分でも納得のいく庭」を自由に造らせていただき、
本当にありがとうございました。四季折々の表情を見せるこの庭が、
ご家族の歴史を共に刻んでいくことを願っております。
四季のある国に生まれて、本当に良かった!
