着工前:沼田の気候と雪を前提に「素材・勾配」を考える
同じ群馬でも沼田は空気感も気温も違い、雪対策が設計の前提になります。
暮らしやすさと安全性を確保しながら、景観を組み立てていきます。
「着工前」
初めて打ち合わせに伺いしたのは春。
さすがに沼田は気候が違い、ウチの方ではとっくに終わったロウバイも咲いております。
でもやっぱり空気は旨い!!
この辺りは雪も結構降るらしいです。
既存樹木を活かす:植えて3年以内は“根が良い”=再利用の好条件
既存樹木は状態によっては使えないことも多いですが、今回は根の状態が良好。
移植して再配置し、庭の骨格として活かします。
さて既存のお庭を見てみましょう。
新築されてからご夫婦で集めた植木や頂いた植木を植えてDIYでのお庭造り。
今回はまるっきり違うお庭に変えますが、この木を活かして欲しいとのご要望。
大概、既存の植木は根の状態が悪くて使えないケースが多いですが・・・
S様邸の植木は植えて3年以内。
逆に根の良い状態なので、これらをフルに活用致します。
設計最大の難所:建物から下がる勾配で“目線が落ちる庭”をどうするか
奥へ行くほど地盤が下がると、建物からの眺めはどんどん目線が落ちてしまい見栄えが弱くなります。
この勾配を整理するのが今回の主テーマです。
この状態をサラっと見ると広々していて造りやすいと思いがちですが・・・
設計には相当頭を悩ませました。
それが・・・
逆光で見えにくいですが(^^;)
建物からの勾配。
建物からずーっと地盤が下がっていっております。
奥に見えるブロックも水平積みではなく左下がりの勾配積み。
建物から見た時に目線がどんどん下がっていく庭じゃ見栄えもしません。
これが今回のポイントです。
施工開始:遠方現場ほど段取りが命。重機+搬入計画で効率化
現場が遠いほど“やり直し”が痛い。移植・搬入・作業動線を整理して、最短で形にしていきます。
プランも固まり早速重機の乗り込み!!
落葉木とはまるっきり違うお庭になっておりました(^^;)
移植と搬入を同時進行:トラック動線を確保して作業の流れを作る
植木を掘り取りながら搬入スペースを確保し、石材の投入へつなげます。
根が良い分、移植がスムーズに進むのも大きなメリットです。
まずは、既存の植木達の移植からスタート!!
じゃんじゃん掘り取り、トラックの入るスペースを確保していきます。
根っこが良いので掘り取りも楽チン。
でも下の方には岩盤並みの土壌(^^;)
移植を進めながら鳥海石もバンバン搬入!!
だいぶ移植も進みトラックも所定の位置まで入りました。
現場が遠方の時は段取りが肝心。
夜も積み込みです。
4tから2tへ積み込み。
そして空になった4tに植木を積み込み!!
途中知り合いに会い・・・
凄い事になってるね(^^;)と言われましたが・・・
こんなの序の口(^^)
これからが庭造りのスタートです!!
まずは伸びやかな樹形が美しいアオダモの植え込み。
二段構成の核心:上段・下段に分けて勾配を“魅せる構造”へ変える
勾配を消すのではなく、二段に分けて整理し、眺めの目線を整えます。
同時に“奥行き”と“迫力”が出るのが二段構成の強みです。
ちょっとブレてる画像で申し訳ありませんが(^^;)
解りやすいので・・・
最初にも書きましたが、今回のお庭のポイントであった「勾配」
これを解消するため、今回のお庭は2段構造に致しました。
作業している建物側を上段。
ユンボがある方が下段この構成でお庭を仕上げていきます。
極厚鉄平石の階段:高低差を安全に、気持ちよくつなぐ
二段構成の“要”は階段。極厚鉄平石で安定感と歩きやすさを確保し、景にもなる動線に仕上げます。
段を付けると言う事は・・・
やっぱり階段でしょう(^^)
極厚鉄平を使用し、この高低差を解消します。
周囲に石も組みあげ、雰囲気と使い勝手を両立。
そして階段の完成!!
見た目以上に歩きやすく、ある着心地も最高です(^^)v
この頃になると沼田市はだいぶ涼しくなって来て・・・
心なしか落葉も始まった模様(^^;)
アオダモが良い色になってパラパラ。
ヤバイ・・・完成写真が葉の無い状態になってしまう・・・
見た目だけじゃない二段構成:残土再利用の盛り土で“経費と景観”を両立
土の搬入はコストが大きい。勾配を逆手に取り、残土を地中へ入れて天地返しをしながら盛り土。
搬入を最小限に抑えつつ、迫力ある地形を作ります。
だいぶ2段構成が見えて来ましが、この2段構成。
実は見た目だけに目を向けた訳ではありません。
もっと重要な事があります。
それはこの「盛り土」
このお庭は設計段階から菜園部分以外に土の搬入を見ておりません。
本来沼田市はウチの施工範囲外。ウチの方から土を運ぶのも大変な経費が掛かります。
地元の建材屋さんで良い方を見つける事が出来れば良いですが、結構
足下を見られる場合が多いです。
それなので、困った勾配を逆手に取り、既存の土を利用し、残土は地中深くに入れて
天地返しを行いながら盛り土をしていきました。
沼田の土質:赤城方面特有の黒土を活かし、植栽基盤を整える
現地の土を見極め、使える土は使う。庭は“土が資産”になります。
赤城方面特有の黒土。
石灰石が入っているものの十分良い土。
上段、下段に分ける事により、経費の削減とこの迫力を両立致しました(^^)v
雪対策のアプローチ:滑りにくい「のみぎり」御影石を採用
御影石は美観と歩き心地に加えて、雪国では“滑りにくさ”が重要。
「のみぎり」仕上げで冬場の安全性を高めます。
お次はアプローチ。
最近ファーストプランから「御影を入れて!」とお客様から大人気の御影石。
歩き心地、見た目は勿論ですが。
今回採用したのは雪対策。
「のみぎり」と言う手法で仕上げられた御影石は雪の時滑りにくいんです。
それは私の自宅に敷いて実証済み。
雪の多いこの場所には他に選択余地はありませんでした。
仕上げ工程:砂利で面を整えると、二段構成の“奥行き感”が一気に出る
砂利を均し、面が整うと庭のスケールが出ます。
二段構成のメリットが“見た目”として現れる重要ポイントです。
駐車スペースの土間コンを打ち、養生しているうちに・・・
朝の気温が一桁台になるようになり、落葉も進んできちゃいました(^^;)
刈り込むサツキの上にも落ち葉が・・・
心なしか庭が少し寂しくなって来た様にも思えますが・・・
まだ大丈夫!!
刈り込んだサツキの清掃や整地をして砂利入れ。
ご要望であった家庭菜園部分にはウチの方の赤土を搬入。
今回入れた土は本当にこれだけ(^^)
砂利を均して行くと2段構成の恩恵でさらなる奥行き感を感じさせてくれます。
狙い通り(^^)v
アプローチ脇も仕上げていきます。
そして上段の整地をして、コチラも砂利を入れていき・・・
完成:勾配を整理し、建物が一段上がったような迫力ある景へ
下段を設けることで、建物が一段上がったように見え、眺めに迫力が出ます。
既存樹木と石組みが活きる“地形を味方にした庭”の完成です。
完成です!!
玄関先から勾配になっていた地形をフラットに変更し手前方向にスロープを付けました。
手前のハケ引き土間との縁切りの階段等を設けたかったのですが・・・
既存の土間や道路の関係で勾配が解消仕切れずフラットに。
でもそれがまた良い感じに!!
さて、早速2段構成のお庭を見ていきましょう!!
まずは下段。
既存であった植木を中心に左のお庭を見せながら上段の迫力ある景色を堪能して頂きます。
下段を設けた事により建物が1段上に上がった感じ。
植木も大型の物を配置した事により、一層迫力ある景色になりました。
勿論、夏場の日よけにや目隠し効果にも一役かう配置。
落葉しても美しい:葉が無い季節は“雑木の造形美”を楽しむ
落葉樹の魅力は葉だけではありません。
冬は枝ぶりの造形美と青空の抜けが、庭の品を引き上げます。
残念ながらアオダモはすっかり落葉してしまいました(^^;)
でも落葉樹の楽しみ方は葉を見るだけではありません。
葉の無い時はこの造形美をお楽しみ下さい!!
青空に映えてとっても綺麗なんです(^^)

下段はスッキリとしながらも味わい深い仕上がりになりました。

再び玄関前に移動。
アッサリとしたアプローチですが、これでバランスが取れております。
玄関前もタップリとスペースを確保。
勾配のシワの寄ってくる一番難しい部分でしたが、感じよく仕上がりました!!
とっても気持ち良い空間です(^^)
上段は遊歩道のように:砂利を変え、山の小径を意識した癒し空間へ
上段と下段で素材(砂利)を変えることで、空間の性格を分けられます。
緑に包まれ、視線を気にしない“癒しの場所”へ。
上段は下段と違う砂利を使用。
下草や花木を使い、山の遊歩道を意識しました。
適度に緑に囲まれた空間は空気が違います。
また、周囲の視線を気にしないで済む空間は癒しの場所となります。

色々と悩んだお庭でしたが、とっても面白く施工させて頂きました。
そして施主ご夫婦にもとっても良くして頂き、感謝感謝です!!
春がまた楽しみなお庭の完成です!!

群馬県で外構工事・外構リフォームをご検討中の方は、 外構工事の施工例(市町村別)・現場レポートまとめ もぜひご覧ください。太田市・館林市・千代田町・邑楽町・大泉町などの施工例を掲載しています。
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