有限会社田熊造園土木
完成した豪華アプローチ

「図面はいらない。現場で一緒に考えよう。」
お客様とのそんな会話から始まった、型破りで熱いプロジェクト。
総重量13.3トン。御影石に賭けた想いと、職人魂のぶつかり合い。これは、常識を覆すアプローチ造りの全記録です。

挑戦の始まり:巨大なキャンバス

着工前の広大な敷地

最初に現場を訪れて思ったこと。「敷地が広い!そして家がデカイ!!」
中途半端なアプローチでは、この立派な建物に完全に負けてしまい、貧相に見えてしまいます。

着工前の玄関周り

そこで提案したのが、「大判御影石」の使用です。
通常は300×600mmのサイズですが、今回は建物のバランスを考え、特大の450×900mmを採用することに。

石を求めて:茨城への旅

選定した大判御影石

納得のいく石を求めて、茨城の石屋さんへ3日間通い詰めました。 下地にはコンクリートや砂を使わず「土のみ」で施工したいというお客様のご要望。 沈下や揺れを防ぐため、一番分厚い、なんと厚さ100mmの石をチョイスしました。

石材店での仕入れ トラックへの積み込み

1枚の重さは約107kg。3トントラックでも2パレットしか積めない超重量物です。

激闘:人力との戦い

現場への搬入

クレーンが使える場所はまだ良いのですが、今回は機械が入らない場所も多く……。
覚悟を決めての手作業です。

作業開始 地盤の転圧

お子様に見守られながら作業開始!まずは緩い地盤をランマーで突き固めます。 しかし、モルタルを使わない大判石の施工は想像以上に大変。なかなか揺れが止まりません(泣)。

石の据え付け 初日の成果

仕上げの高さや勾配を、お客様と現場で打ち合わせながら進めます。まさにライブ感あふれる現場です。

自然の猛威:雪との戦い

予報通りの雪

順調に進んでいた矢先、まさかの雪予報。しかも「5年ぶりの大雪」とのこと。
お客様やお子様が滑って怪我をしては大変です。急遽、ユンボのブリッジを桟橋として設置しました。

仮設の桟橋

幸い雪はすぐに解けましたが、足元は泥でベチョベチョ……。石を汚さないよう神経を使います。

形状が見えてくる

スロープ状のアプローチ

今回は段差を設けず、緩やかなスロープにする設計。形が見えてきてノッてきた!と思いきや……

作業中の様子 再びの雪

またしても雪!

急ピッチでの作業

手前部分の作業 縁石の設置

土のままではマズイと判断し、手前部分だけでも完成させるべく急ピッチで作業。 縁石を設置し、砕石を入れ、ガッチリと転圧します。

砕石投入 転圧作業
安心の仕上がり

御影石の表面は「のみ切り仕上げ」なので滑りません。これで一安心です。

究極の手作業:デンジャラスゾーン

掃き出し窓へのスロープ

北側の日陰で雪が残り、足元が悪い中の作業。 玄関ポーチから掃き出し窓へ、沓脱ぎ石なしで降りられる絶妙な高さのスロープ。これはN様の妙案です!

そして西側、機械が一切入れない「デンジャラスゾーン」へ突入。
ここで登場するのは、重さ約130kgの石柱。これを……2人で手運びしました(汗)。

人力運搬 他現場での使用例

写真で見ると細く見えますが、これは他のお宅では門柱として使ったレベルの代物。 腕が抜けるかと思いましたが、人間やればできるものです!

石柱のアップ 設置完了

最強の助っ人:200kg級の巨石

機械作業エリア

デンジャラスゾーンを抜け、ようやく機械が使える天国ゾーンへ。 ここで登場したのが、私自身初めて扱うサイズの巨大な御影石。

巨大御影石 据え付け作業

さきほどの130kgが可愛く見える、推定200kgオーバーの巨体。 ワイヤーを掛ける際、少しずらそうとしてもビクともしません。 しかし、その重厚感は圧倒的。アプローチの顔としてビシッと決まりました。

据え付け完了

ディテール:機能と加工の技

機能門柱設置 夜間照明

オールインワンの機能門柱を設置。明るさセンサー付きで、夜の雰囲気も演出します。

敷き並べが終われば、ひたすらカット作業。厚みがあるため、加工も一苦労です。

石材カット 寸法合わせ
枡合わせ加工 配管上の加工

枡に合わせて丸くカットしたり、配管が浅い部分は石を薄く加工したり。 この手間暇こそが、手抜き業者には真似できないプロの仕事です。 ダイヤモンドカッターも力尽きるほどの激闘でした。

完成:圧倒的な存在感

完成したアプローチ全景

ついに完成!!
横幅平均3.6m以上の豪華なアプローチ。大きな建物に負けることなく、互いを引き立て合う存在となりました。

アイデア満載の犬走り

スロープ状の犬走り

西側に向かう犬走りは、お子さんが三輪車で上がれる程度の勾配をつけ、掃き出し窓からも楽に出入りできるよう調整。 これはN様の発案ですが、本当に素晴らしいアイデアです。

美しい石畳
枡の加工詳細 西側の仕上げ

枡にピタリと合わせたカット。西側は防草シートと伊勢砂利で仕上げる予定です。

これからのお楽しみ

南側の様子

南側は盛り土が落ち着くのを待ってからの「お楽しみ」。 アイデア豊富なN様のこと、きっと素敵な計画があることでしょう。

植栽スペース

N様邸には立派な植木畑があり、植栽はN様ご自身の手で。 センスの良いN様なら、このアプローチをさらに引き立たせてくれると確信しています!

職人の想いと記録

今回、大量の御影石を使って感じたのは、「御影石=和風」という固定概念は捨てるべきだということ。 現代風の建物にも違和感なく溶け込み、むしろモダンで豪華な仕上がりになりました。 丈夫で、味があり、美しい。日本の気候風土に合った最高の素材です。

【今回の御影石使用量(カット含む)】

  • 平板98枚・・・約10.0トン
  • 縁石(細)20本・・・約2.6トン
  • 縁石(太)3本・・・約0.7トン
  • 合計 13.3トン!!

※2011/02/28 時点での個人邸最高記録達成

N様、この度は本当に楽しく作業をさせていただきました。 まるで同業者の仲間と造り上げているような感覚で、N様の熱い想いに私たち職人も魂で応えました。 奥様にも大変良くしていただき、感謝の言葉もありません。 完成までの道のりはまだ長いでしょうが、末永いお付き合いをよろしくお願い申し上げます!

施工ドキュメント一覧に戻る