教室へのアプローチと、雑木の庭。
「落ち葉も楽しむ」心の豊かさを形に
生徒さんを迎え、暮らしを彩る。
館林市T様邸。プリザーブドフラワーの教室を開かれているT様からのご依頼です。求められたのは、生徒さんが心地よく通えるアプローチ動線と、暮らしの中で四季を感じられる雑木の庭。
駐車スペースの確保、自動販売機の移設といった現実的な課題をクリアしながら、鳥海石の力強い石組みと、アオダモを中心とした柔らかな植栽を融合。「落ち葉さえも愛おしくなる」ような、感性を刺激する空間づくりを目指しました。
着工前。ここから新たな物語が始まります。
自販機を移動し、駐車スペースを確保する計画。
1. 動線計画:教室への「おもてなし」
この庭の主役の一つは、教室の入り口となるウッドデッキへの動線です。自宅の玄関とは反対側に位置するため、生徒さんが迷わず、かつ気持ちよくアプローチできるよう、明確な流れを作る必要があります。
右奥に見えるデッキが教室の入り口。ここへの動線が鍵。
2. 石の骨格:鳥海石で「景」と「用」を作る
庭の骨格となるのは、大量の「鳥海石」。土留めとしての機能を果たしながら、同時に見ごたえのある景色を作ります。駐車スペースとの境界ギリギリを攻めつつ、微動だにしないよう石を突き込んでいきます。
大量の鳥海石。これが庭の「背骨」になる。
形も大きさも様々。適材適所で組み上げる。
現場での即興の石組み。職人の腕の見せ所。
車の位置を確認しながら、ギリギリを攻める。
機能美。土を留めつつ、美しく魅せる。
下草が入ると、石の表情が一気に柔らかくなる。
3. 水の気配:水鉢で静寂を生む
石組みの一角に、下草を這わせた水鉢をセット。水の気配があるだけで、庭に静寂と潤いが生まれます。
庭のアクセントとなる水鉢。
4. 窓は額縁:四季を切り取る植栽マジック
植栽のハイライトは、リビングの窓からの眺め。窓を「額縁」に見立て、そこから見える景色が一枚の絵画になるように木を配置します。紅葉、落葉、新緑。季節ごとに掛け替えられる自然のアートです。
紅葉真っ盛りの植木たち。
青空に映える紅葉。
計算通り。窓が「額縁」となり、庭が「絵」になる瞬間。
全体のバランスを見ながら、一本一本植えていく。
アオダモを中心に、足元には奥様ご希望のメダカ池。
天然樹形のコハウチワカエデが、優しい木陰を作る。
5. アプローチの格:桜御影と六方石の重厚感
教室への入り口となるアプローチには、沓脱石クラスの巨大な「桜御影石」を据えました。さらに「六方石」を添えてバランスを取り、高低差と狭さを逆手に取った、重厚感のある顔をつくりました。
高低差があり、スペースも限られたアプローチ。
ここが「顔」。貧相にならないよう、力強い素材を選ぶ。
存在感抜群の桜御影石。
六方石を添えることで、空間が引き締まる。
奥の石組みとも呼応する、絶妙なバランス。
足元を整え、下草で彩りを加える。
形が見えてきた。
植栽直後の水やりは命。
石と緑が馴染み、雰囲気が増す。
6. 仕上げの美学:鉄平石から駐車場へ
アプローチの仕上げは「鉄平石」。桜御影石からの流れを受け、庭の格を一気に引き上げます。最後は駐車場の土間打ち、カーポート、そしてLED照明の設置。夜間の安全性と美観も確保しました。
桜御影から鉄平石へ。素材の変化で奥行きを演出。
園路ができることで、庭にストーリーが生まれる。
最終工程、駐車場づくり。
機能性も抜かりなく。カーポート設置。
省エネで明るいLED。夜の庭も楽しめる。
細部まで丁寧に仕上げる。
土間も美しく仕上がり、全ての工事が完了。
完 成:四季を楽しむ「心の贅沢」
教室の入り口は凛とした表情で迎え、
一歩中に入れば、優しい雑木の緑が包み込む。
冬は枝ぶり、春は芽吹き、秋は落葉。四季を愛でる庭の完成です。
凛とした佇まい。生徒さんを迎えるのに相応しい品格。
緩やかなカーブが、緊張感を解きほぐす。
春には特等席となるデッキ。水音と緑に包まれる場所。
これからお客様の手で彩られていくメダカの池。
高低差が生む「包まれ感」。心地よい閉鎖性。
完全に隠さず、優しく遮る落葉樹の目隠し。
冬の枝ぶりこそ、雑木の庭の真骨頂。
春は木陰を、秋は紅葉を映す水鏡。
T様、この度は素敵なお庭づくりをお手伝いさせていただき
本当にありがとうございました。
春の芽吹き、そして秋の落葉。四季折々の変化を存分にお楽しみください!
