有限会社田熊造園土木

美しい庭は、強固な基礎の上に成り立つ

桐生市のA様邸。高台に位置する素晴らしいロケーションですが、既存の大谷石塀は老朽化が進み、鉄筋不足による倒壊リスクを抱えていました。

「まずは安全を確保する」。これが第1期工事の絶対命題です。
高低差のある難しい現場で、危険な塀を解体し、管理しきれない樹木を伐採し、崩れかけた土留めを再構築する。華やかな造園工事の前に、土地そのものを安全に作り変える、プロの基礎工事の全記録をご覧ください。

桐生市A様邸 施工前の高台からの眺望

1. 現状調査:リスクの可視化

工事前の状況確認。急な傾斜地にある大谷石の土留めは、経年劣化で風化が進み、一部は傾きが見られます。昔の施工のため鉄筋が入っていない可能性も高く、大きな地震が来れば倒壊の恐れがあります。

桐生市A様邸 傾斜地の土留め状況 桐生市A様邸 老朽化した大谷石塀
「残すか、切るか。未来のための決断。」

お茶の先生だった前住人の植栽は風情がありますが、今後の管理を考えると大きな負担になりかねません。A様の新しいライフスタイルに合わせ、心を鬼にして伐採し、一度リセットする決断をしました。ここから新しい物語が始まります。

桐生市A様邸 既存植栽の状況

2. 解体・伐採:安全第一の撤去作業

いよいよ工事スタート。重機を搬入し、伐採・伐根と大谷石の解体を同時に進めます。高台での重機作業は、一歩間違えば崩落の危険がある難所。オペレーターの熟練した技術が求められます。

桐生市A様邸 第1期工事着工 桐生市A様邸 重機による伐採作業

グラグラしていた大谷石塀を慎重に解体していきます。予想通り、鉄筋はほとんど入っていませんでした。このまま放置していたらと思うとゾッとします。伐採した大量の枝葉と、解体した石材を分別し、手際よく搬出していきます。

桐生市A様邸 大谷石塀の解体 桐生市A様邸 伐採枝の搬出作業
桐生市A様邸 解体ガラ出し作業1 桐生市A様邸 解体ガラ出し作業2

現場は常に整理整頓。足場が悪い場所だからこそ、散らかった現場は事故の元です。解体が進むにつれ、敷地の全貌が見えてきました。

桐生市A様邸 現場の整理整頓 桐生市A様邸 解体が進む大谷石塀
桐生市A様邸 廃材の積み込み

3. 発見・対応:隠れていた擁壁とその問題点

大谷石を解体していくと、内側からコンクリート擁壁が出現しました。しかし、よく見ると大谷石との間に土が入り込み、擁壁自体も不安定な状態。さらに、大谷石と擁壁が接続されておらず、それぞれが勝手に動いてしまっていました。

桐生市A様邸 内側擁壁の発見 桐生市A様邸 既存擁壁の状態確認

「これは使えるか?」
職人の目で強度を確認。一部は解体し、使える部分は残しつつ、新しいブロック塀と鉄筋で一体化させる補強プランへと切り替えます。現場での臨機応変な対応力が問われる瞬間です。

4. 基礎再生:玉石処理と新基礎の打設

擁壁のベース部分を掘削すると、ゴロゴロとした玉石(丸い石)が露出しており、基礎コンクリートを打つための型枠が入らない状態でした。このままでは強度が保てません。

桐生市A様邸 ベース部分の玉石露出 桐生市A様邸 障害となる玉石のカット

邪魔な玉石を一つ一つサンダーでカットし、砕石を敷き詰め、転圧。そこに鉄筋を組み、新たに分厚いコンクリート基礎を打ち込みました。地味な作業ですが、これこそが数十年先まで家を守る「安心の土台」となります。

桐生市A様邸 新設基礎コンクリート打設

5. 土留め構築:ウルトラメタルで強固に守る

新たな土留めには、エスビックの「ウルトラメタル(ダークブラウン)」を採用しました。メタリックな質感が特徴の高強度ブロックです。既存の擁壁にアンカーを打ち込み、鉄筋で新しいブロックとガッチリ連結させます。

桐生市A様邸 化粧ブロック積み開始 桐生市A様邸 既存擁壁との接続施工

門柱部分も同様に補強しながら積み上げます。既存の階段は雰囲気が良いのでそのまま活かし、第2期工事でお洒落にリメイクする予定です。危険だった崖地が、見違えるほど頑丈な要塞へと生まれ変わりました。

桐生市A様邸 門柱部分の補強積み 桐生市A様邸 土留め擁壁の完成全景
桐生市A様邸 階段周りの土留め仕上げ

6. 整地・復旧:第2期工事へのバトンタッチ

土留めが完成したら、敷地内部の整地に入ります。解体時に一時撤去していた石組みを、元の位置よりも美しく組み直します。さらに、将来の建物新築と庭づくりを見据えて、宅盤のレベル(高さ)を慎重に調整しました。

桐生市A様邸 内部整地作業の開始 桐生市A様邸 石組みの復旧作業
桐生市A様邸 第2期を見据えたレベル調整 桐生市A様邸 宅盤の高さ合わせ

次なる工程である「建物の新築」と、その後の「第2期造園工事」がスムーズに進むよう、要所に資材となる石を仮置きして完了です。安全が確保されたこの土地に、これからどんな家が建ち、どんな庭が生まれるのか。今からワクワクが止まりません。

桐生市A様邸 石組み復旧完了 桐生市A様邸 資材の仮置き
桐生市A様邸 第1期工事完了全景1 桐生市A様邸 第1期工事完了全景2

To Be Continued...

危険を取り除き、強固な土台が完成しました。
次は2026年春、新しい建物と共に、本格的な「庭づくり」が始まります。

桐生市A様邸 次期工事への期待
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