有限会社田熊造園土木

「眺める庭」から「使える庭」への転換

館林市のT様邸。これまでは生け垣で囲まれた一般的なお庭でしたが、「テーブルを置いてお茶を楽しめるような空間にしたい」とのご要望を受け、大規模なリフォームに着手しました。

ゼロから作り直すのではなく、使えるものは活かす。生け垣を撤去してメンテナンスを軽減しつつ、目隠しフェンスと平板舗装で機能性を向上させる、段階的なリフォームの全行程を綴ります。

館林市T様邸 リフォーム前の前庭の様子

1. 解体・撤去:隠れた強敵との闘い

リフォームの第一歩は、現状を「リセット」することから始まります。まずは前庭の主役だった生け垣の撤去から。長年根を張った植木の撤去は容易ではありません。当初はミニユンボ1台で挑みましたが、根の張りが予想以上に強く、急遽もう一台を追加投入。パワーショベル2台体制で、ようやく抜根を完了させました。

館林市T様邸 生け垣の伐採作業 館林市T様邸 ユンボ2台による抜根
「開けてビックリ、がリフォームの常。」

続いて、庭の一角にあった古いタイルの解体へ。見た目は小さなタイルスペースでしたが、いざ壊し始めると、下から厚さ15cm以上の分厚いコンクリートが出現しました。「これはいい仕事してますね…(笑)」と苦笑いしながらも、専用の破砕道具を駆使して撤去。リフォーム工事は、こうした「見えない部分の強敵」との闘いの連続ですが、それを一つひとつクリアしていくのがプロの腕の見せ所です。

館林市T様邸 既存タイルの解体開始 館林市T様邸 頑丈なタイルの破砕作業
館林市T様邸 想定外に分厚いコンクリート下地 館林市T様邸 コンクリート撤去完了

かつて庭の入口だった場所の門扉も撤去。今回はプライベート空間を作るため、この入口はブロックで完全に塞ぎます。これでようやく、新しい庭を描くためのキャンバスが整いました。

館林市T様邸 古い門扉の撤去とブロック積み 館林市T様邸 解体完了後の前庭全景

2. フェンス・基礎:プライバシーを守る砦

生け垣がなくなった今、プライバシーを守るのは「目隠しフェンス」の役割です。しかし、生け垣を抜いた直後の地面は柔らかく不安定。そのままではフェンスが傾いてしまいます。そこで、基礎周りの地盤をしっかりと転圧し、補強を行いました。

館林市T様邸 フェンス柱の基礎ブロック設置 館林市T様邸 地盤補強と柱の建て込み
「美しさは、細部の収まりに宿る。」

お客様からのご要望で、「既存のブロックとフェンスの面(ツラ)を揃えたい」とのこと。通常なら柱の厚み分だけズレが生じますが、今回は柱を二枚合わせにする特殊な施工で強度を確保しつつ、見た目のフラット感を実現しました。建物の東側にも同様に柱を立て、敷地全体を包み込む準備を進めます。

館林市T様邸 強度を確保した二枚合わせの柱 館林市T様邸 建物東側のフェンス柱設置

採用したのは「エコモックフェンス」のグレージュカラー。現場で一枚一枚穴あけ加工を行い、取り付けていきます。板の隙間はお客様こだわりの「6mm」。広すぎず狭すぎず、風を通しながら視線はしっかりカットする、絶妙なバランスです。

館林市T様邸 エコモックフェンスの加工 館林市T様邸 6mm隙間のフェンス板張り

奥の狭いスペースは後からの作業が困難になるため、フェンス工事と並行して砂利敷きまで先行して仕上げておきます。段取り八分、仕事はスムーズに。

館林市T様邸 建物裏手の先行砂利敷き 館林市T様邸 前庭フェンスの骨組み完成

3. 平板敷き・物置:機能美あふれる足元

「お茶を楽しめる庭」にするためには、足元が安定していて、かつ水はけが良いことが条件です。そこで選んだのが、東洋工業の「アクリナペイブ」300角平板。表面の細かな砂利加工が美しく、透水機能も備えた優れものです。

館林市T様邸 アクリナペイブ平板の搬入 館林市T様邸 平板の敷設作業

砕石でガッチリと固めた路盤の上にクッション砂を敷き、水平を見ながら一枚一枚並べていきます。お客様ご自身にデザインしていただいた配色は、シンプルながらも動きのある素敵なパターンになりました。フェンスで囲われた空間に床ができると、一気に「部屋」のような安心感が生まれます。

館林市T様邸 デザインされた平板パターン 館林市T様邸 フェンスと平板の調和
「物置だって、カッコよく置きたい。」

庭の一角にはヨドコウの物置「エスモ」を設置。カラーは落ち着いたウッディココア。ここでこだわったのが「設置方法」です。通常はコンクリートブロックの上に置きますが、今回はデザイン性を重視し、ブロックを使わずに平板の上に直接設置するスタイルを採用。平板の透水性を活かし、さらにアンカーで強固に固定することで、台風にも負けない安全性とスタイリッシュな見た目を両立させました。

館林市T様邸 ヨド物置エスモの設置 館林市T様邸 手前部分の仕上げ作業

4. 水道・門まわり:細部まで使いやすく

庭仕事や掃除に欠かせない立水栓。位置を使いやすい場所へ変更し、排水マスの高さも周囲の平板に合わせて調整。足元をレンガで囲うことで、水まわりが一つのアクセントポイントになりました。難しい勾配調整も、職人の技で綺麗にクリア。

館林市T様邸 立水栓周りのレンガ仕上げ 館林市T様邸 エコモックの扉設置

勝手口や玄関の門扉もリニューアル。既存のものは少し寸足らずな印象でしたが、ブロックを一段追加して高さを調整することで、オーダーメイドのようなピッタリ感を実現。木目調の新しい門扉は、外壁の雰囲気とも相性抜群です。

館林市T様邸 勝手口門扉の交換前 館林市T様邸 高さ調整後の勝手口門扉
館林市T様邸 玄関門扉の交換作業 館林市T様邸 木目調の新しい玄関門扉

ポストはオンリーワン製のお洒落なタイプへ交換し、その裏には宅配ボックスも完備。現代のライフスタイルに合わせた機能的なエントランスへと進化しました。

館林市T様邸 オンリーワン製ポスト設置 館林市T様邸 宅配ボックスと植栽

完 成:緑が彩るプライベートガーデン

最後に植栽を施し、無機質なフェンスに緑の潤いをプラス。砕石だった道路面もコンクリートで舗装し、完全にリニューアルされた「使える前庭」が完成しました。
6mmの隙間から漏れる光と風、揺れる緑。外からの視線を気にせず、ご家族でお茶を楽しめる、最高のプライベート空間です。

館林市T様邸 道路面コンクリート打設準備 館林市T様邸 コンクリート舗装完成
館林市T様邸 植栽が入った前庭 館林市T様邸 緑とフェンスの調和
館林市T様邸 絶妙な隙間の目隠し効果 館林市T様邸 プライベートガーデン完成全景

T様、長い期間にわたるリフォーム工事にお付き合いいただき、ありがとうございました!
生まれ変わったお庭で、素敵なティータイムをお過ごしください。

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