重厚感を感じさせる迫力ある庭。
入母屋の格に挑んだ、職人魂の記録
入母屋の平屋に相応しき、本物の景色を。
高崎市吉井町U様邸。入母屋建築、銅の雨どい。その圧倒的な「建物の格」に負けない庭を目指しました。
既存の浅間の焼け石を「継承」し、赤松の「迫力」を主軸に据える。御影石を立てて土留めとし、鉄平石を敷き詰める。
早すぎる日没や氷点下の土間打ちといった厳しい現場を越え、借景の山と一体化した「屋敷の庭」が完成しました。
圧倒的な格を持つ建物。ここに相応しい庭を。
既存の焼け石。歴史を活かし、再構築する。
ここからの景色を一変させます。
右側の石を残し、左側を一度解体。
1. 外周と目隠し:屋敷の骨格を整える
秋の深まりと共に着工。まずは境界部分から。マチダSPリブロラグゼを使用し、サザンカ(タチカンツバキ)の生垣を布がけ支柱で作成。 布団が干せるようメッシュフェンスを組み合わせ、実用性と和の美学を両立させました。
5時で真っ暗。投光器が頼みの綱。
暗くなる前に、着実に積み上げる。2. 主役「赤松」と石組:迫力を宿す
この庭の魂となる赤松。千葉で見つけた名品を主役に据え、石組とサツキで根締めを施します。 山陰の現場ゆえ、16時には太陽が沈み、投光器の光の中で石を組む、正念場の連続でした。
山の影響で4時には真っ暗。山、恐るべし!
仕立て名人が作り上げた、気品ある姿。
新緑と紅葉、季節の移ろいを玄関先に。
ソヨゴを奥に配し、遠近感を強調。
緑が石の重厚感を引き立てる。
大まかな形が見えてきた。
建物をより重厚に魅せるための配置。3. 高低差を支配する:御影石平板の土留め
本来敷くための御影石平板を、立てて土留め兼仕切りとして活用。 1枚90kgのゴツゴツとした石を並べるのは至難の業ですが、その「不揃いの迫力」が、駐車場側から見た庭の格を決定づけました。
このゴツゴツ感が重厚感を生む。
サツキで小細工、自然を演出。
丸みのある緑を添えて。
奥様お気に入りの六方石。
着実に、理想の景色へ。
御影石で、機能性と美観を。
サツキを添え、柔らかさをプラス。
見上げる楽しさを創り出す。
どこから見られても隙のない設計。
庭を見せつける。駐車場との境界に魂を込めた。
4. アプローチの豪快:御影石と鉄平石
アプローチは、白い御影石平板から黒光りする鉄平石へと続く構成。 短い距離だからこそ、小さめの素材で繊細さを出しつつ、職人の「勘」で一枚一枚を最高の間隔で敷き詰めました。
ぬかるみ対策と明るさ。
勾配を考え、丁寧に均す。
自分でも眩しいほどの明るさ。
砂利に落ちる影こそが庭の情緒。
ここからビシッとキメます。
繊細さを出すためのサイズ選択。
ガッチリと、末長く残るように。
3人一組、阿吽の呼吸。
目地切りがアプローチを締める。
豪快さと繊細さが同居する道。
難易度の高い勾配処理もバッチリ。
切らずに組む。職人の勘が冴える。
水で輝く鉄平石。至高の玄関先。
周囲に迫力をプラスする。
石の間を抜けていく、計算された動線。
すべてのピースが揃ってきた。5. 氷点下の決戦:冬の駐車場土間
1月の寒波。群馬県内の現場、天気予報と毎日睨めっこ。凍結の不安に胃を痛めましたが、神様がくれた晴天に一気に打設。 スーパー左官・山田さん親子の技で、最高の土間を仕上げました。
新緑の下を歩く日を夢見て。
ラカンマキを引き立てる空間。
サツキと石の美しいライン。
山までもが、庭の味方になる。
やわらかな緑で、居間に涼を。
石の間に、可愛らしい彩りを。
駐車場側も一つの庭として。
古きを活かし、新しきを作る。
自分の目で、一つ一つ選ぶ。
時には自ら。職人のこだわり。
季節を感じる花たち。
花芽たっぷり。準備万端。
彩りを添えて、植栽完了。
最後に、家の顔をキメる。
燻し銀。これが和の格。
建物に合う、瓦のアクセント。
胃が痛むほど天気を気にした。
神様がくれた、絶好の日取り。
砕石20cm。鬼の居ぬ間に。
見えない強さが、土間を支える。
明日8時半、開始。
晴天!暖かい幸せを感じる。
眠い目をこすり、最終確認。
大型車、配合も気合十分。
山田さん親子、見事なコテ。
最高の仕上がり、山田さんに感謝!
10日間の養生。苦労が報われた。完 成:山を背負い、家を彩る
白い御影石、黒い鉄平石、力強い赤松、そして雑木。 施工前が思い出せないほどの変貌を遂げ、借景の山と共に、U様邸に新たな命が吹き込まれました。
雑木が導く、爽やかな玄関先。
一歩ごとに景色が変わる楽しさ。
立派な竿。家族の成長を見守る。
苦労の甲斐ある、見事な瓦。
多目的に使える、羨ましいスペース。
数ヶ月で、既に庭の一部に。
濡れた石と緑。一気に引き締まる。
気持ちの良い、落ち着いた景。
向こうの山が借景。これこそが、屋敷に相応しい本物の庭。
U様、大変長らくお世話になりました!
一番日の短い過酷な時期でしたが、妥協なく完成させられたことに感謝します。
これからも、この庭がご家族の最高の安らぎでありますように。
