施工テーマ:雨さえも景色に変える「水面に浮かぶ四季の庭」
水が溜まる庭は、暮らしのストレスになりやすい一方で、設計次第で“風景”にもなります。
今回は排水不良を根本から見直し、地盤づくり・石組・植栽・動線を整えた上で、
自然石の水鉢に四季の花や葉を浮かべる「景色を楽しむ仕掛け」を庭の主役として組み込みました。
施工前の課題:水たまりと排水枡の機能不全を根本から改善
雨上がり直前ではないのに水が溜まってしまう状態は、排水計画と地盤の両面に原因があるケースが多いです。
自然排水の枡も機能していない状況だったため、今回は表面だけの対処ではなく、
造成から見直して“水が溜まりにくい庭の土台”をつくるところからスタートします。
「施工前」
雨上がり直前ではありませんが、この水たまり・・・

雨水を受け止める自然排水の枡もこの通り持ち上がっているように見えて・・・
意味をなしておりません(^^;)
造成・地盤づくり:良質土をたっぷり搬入し、排水と使いやすさの土台をつくる
まずは土入れから。良質の赤土を搬入して地盤を造り直し、庭全体の勾配と高さを整えます。
同時に、工事中に車が汚れないよう砕石を敷き込み、生活動線も確保。
“使いながら工事を進める”現場では、こうした配慮が仕上がりと満足度に直結します。
「作業開始!!」
何はともあれ土いれからスタート。薮塚から良質の赤土をタップリと搬入し、地盤を造ります。

手前には駐車場が出来るまでの間お客様の車が汚れないように砕石を敷き込みました。
大型ダンプで次から次へと土をいれ、ようやく平らになって来ました(^^)
平らにしたついでに庭部分で使う土もストック。
しばしの間お子様の良い遊び場となりました(^^)
建物裏も土で平らにし、ぬからないうちに砂利を敷き込みます。
境界と目隠し:生け垣(レッドロビン)で景観とプライバシーを両立
畑との境界は、視線のコントロールと景観づくりの要。
支柱を立てて生け垣を計画し、四季の表情と目隠し効果の両方を狙います。
落葉期でも“透けすぎない景”をつくることが、この庭の落ち着きにつながります。
続きましては前の畑との境界に生け垣を作る為の支柱を立てていきます。
ここに西洋カナメ(レッドロビン)を植栽します。
主役の植栽:シンボルツリー(アオダモ)で庭の空気を一気に変える
庭は、主役となる一本で“空気”が決まります。
葉張りのあるアオダモをシンボルツリーとして据え、やわらかな葉の揺れと木陰の心地よさを計画。
枝折り(しおり)などの養生も含め、樹形を活かした植栽を進めていきます。
下準備が終わればいよいよ植木の植栽開始!!
今回は一発目にシンボルツリーを入れます。
大きく葉張りのあるアオダモ。
野球のバットの材料に使われる木です。
輸送中に傷めないよう、運びやすいように枝折り(しおり)と言って枝をヒモで締め上げます。
アオダモの他にもタップリと材料を載せて置き場を出発!!
季節は12月。
千代田町のイチョウ並木も綺麗に色づいております(^^)

現場に到着し、早速植え込み開始!!
1本でも十分な存在感のある木は、場の雰囲気を一気に変える力を持ってます。

まだ出番の無い植木は風で倒れないようにまとめておきます。

石の骨格:鳥海石の据え付けで庭の“重心”と風格をつくる
次は庭の骨格となる石の据え付け。
クレーン作業は作業範囲があっても、上空の電線など現場条件で難易度が一気に上がります。
安全と納まりを両立しながら据え付け、庭の重心と風格を形にしていきます。
そしてお次は鳥海石の搬入及び据え付け。
クレーンの作業範囲自体何ら問題は無いのですが・・・
真上に通るこの電線が凄く邪魔(泣)
遠目で電線と睨めっこしながら据え付けていきます。

落葉期でも十分な目隠し効果を得られます(^^)

冬の施工:日没が早い時期こそ、段取りと照明で品質を落とさない
12月は日が短く、夕方以降の作業環境が仕上がりに直結します。
投光器やハロゲンライトで照度を確保し、安全に・正確に作業ができる環境を整備。
工事中だけでなく、帰宅後に進捗を確認できる“うれしい仕掛け”にもなっています。
12月ともなると16時くらいから日が陰り始めます(泣)
一年のうち一番日が短いから仕方無いのですが・・・
でもそんな夕方にも関わらず材料の搬入(^^)
そう毎年この時期恒例の投光器セット!!
今回は丁度良い所に電柱があったので・・・
東電さんにお借りしました(^^;)
そしてコチラも高さ・向き・角度全ての調整が可能なハロゲンライト。
コチラもすかさずセット!!
すると・・・
何ら不自由なく作業が出来ます(^^)
勿論作業終了時には消して行きますが、真っ暗になってから帰宅するご主人でも
コンセントを挿せばどんな風に庭が変わっているのか確認して頂けます!!
外構の要:駐車計画と御影石の見切りで、庭が引き締まる
駐車スペースは、暮らしの実用の中心。
掘削→砕石で下地を整えつつ、土間打ちは後工程として、まずは臨時駐車場として使える状態にします。
さらに御影石の見切りで庭と駐車場をキリッと分け、全体の印象を引き締めていきます。
そして今度は駐車スペースに手を付けます。
規定の高さまで掘削をして砕石を入れます。しかしまだコンクリートは流さないので、臨時駐車場です。

駐車場と庭部分をキリっと仕切ってくれる御影石の登場!!

道行く人に「豪華だね~」と声を掛けて頂くけど・・・
実はこの御影石・・・
最終的には5cm位しか出ません(^^;)
仕切が完成したら玄関前の植栽の準備!!

優しい落葉樹の緑に囲まれたアプローチになるよう植栽致します。
玄関からこぼれる光に台杉が映えます(^^)
門まわり:家の顔は“基礎”が命(鉄筋入りでしっかり造る)
門柱は外構の顔。見た目だけでなく、耐久性と安定性が重要です。
ガッチリとした基礎に鉄筋を組み、長く安心できる土台をつくります。
この“見えない工程”が、完成後の安心感を支えます。
お次はK様邸の顔とも言える門柱の基礎を打ちます。
ガッチリとした基礎に13mmの鉄筋。
しかっりと作ります。

そして作業は一番最初の庭部分に戻り、サツキの植栽。
玉の大きさや高低差に気を付けながら・・・
1本1本丁寧に植えていきます!!

現場の力:施主様の想いが、庭の仕上がりをさらに良くする
毎日の差し入れや、心のこもった一言は、作り手の集中力と丁寧さを引き上げてくれます。
外構・庭づくりは“共同作業”の面もあり、こうしたやりとりが現場の空気を良くし、
結果として仕上がりにも反映されていきます。
K様邸では毎日飲み物やお茶菓子をご用意頂き、本当に感謝感謝です。
その上こんな可愛らしいイラストが書いてあっちゃ・・・
作り手としては俄然気合いが入っちゃいます(^^)
こう言うのって本当に嬉しいですね。

こちら側も下草やサツキ、小さな石組みを施し仕上げていきます。
生け垣の材料も調い生け垣も植栽開始。
暗くなる頃には全て結束し、完成。

年に2回真っ赤な葉で目を楽しませてくれます!!
基礎の養生期間を終え、ブロック積みも開始!!
並行して作業しているコチラは家庭菜園となるスペース!!
しばらくはお子さんの遊び場になるそうです(^^)
アプローチ設計:御影石×諏訪鉄平石、段差すら“格上げ”に変える
この庭の印象を決めるのがアプローチ。
御影石の直線の品格と、鉄平石のアールの伸びやかさを組み合わせ、“歩きたくなる動線”をつくります。
さらに、ポーチが想定より高いという条件も、段差を一段設けて豪華に見せる設計へ転換。
欠点を逆手に取ることで、結果として完成度を上げていきます。
そしてこの庭を印象づけるアプローチの作成!!
今回は御影石と諏訪鉄平石を合わせて作っていきます。
まずは玄関先から~
実はこのポーチ・・・
G.Lまでの高さが考えられてなく、10cm位高く仕上がってます(泣;)
困ったものですが、そこは逆手にとって上手く利用致します(^^)

当初の設計ではココからフラットにする予定でしたが、ポーチの具合を考え
そしてより豪華に見せるため、1段階段を設けました。

逆に1段階段を作ることが出来て結果オーライ!!
そこから真っ直ぐ直線を描きます。
まだ土部分が多く、真っ白な御影石を汚してはいけないので、養生ビニールとコンパネで保護。
そして御影石をひたすらカットして・・・
門柱部分を御影石で埋め尽くします!!
御影石が完成したら直線と直線を鉄平石のアールで結んでいきます。

まずは仮置きして表情を作り・・・

揺れが出ない様にガッチリと突き込み!!
そして最後の一枚!!
最終的にもう一度突き込み、余分な土を出して完成。

題名の核心:自然石の水鉢に“四季”を浮かべる(窓からの眺めを主役に)
「玄関先の窓を活かしたい」というご要望に応え、花木の足元に自然石の水鉢を据えました。
この水面に、季節の花や葉を浮かべて楽しむ——それが「水面に浮かぶ四季の庭」という発想です。
雨で水が溜まることさえ、庭の情緒へと変わっていきます。
そして「玄関先にある窓を活かして欲しい」とのご要望にお応えし
花木を中心とし、そこへ自然石の水鉢をセット。

この庭にはあらゆる花木を仕込んでありますので、季節に応じた花をココに
浮かべて風情を味わって頂きたいと思います!!
丁度この季節は「寒椿」
水に揺られる花はまた美しいものです(^^)
仕上げの一手:砂利と石の洗いで、庭の表情が“締まる”
砂利を入れて終わりではなく、汚れていた鉄平石を洗い上げることで、
黒光りした表情が現れます。ここで庭の質感が一段上がり、完成度がぐっと高まります。
細部の手間が、最終的な“気持ちよさ”を決めます。
玄関周りが完成したらいよいよ砂利入れ!!
砂利を入れたら汚れていた鉄平石を綺麗に洗います。
すると綺麗に黒光りした姿が現れます(^^)
この感じタマりません。
庭の構成もアプローチに合わせ自然な形に。
アールをビシッと引き締める御影石の一文字。
ガッチリとした印象を与えてくれます。
御影石と化粧ブロックでガッチリとした印象の門柱から・・・
伸びやかに流れる鉄平石。
歩いてみたくなるアプローチになるよう考えました(^^)
実用の完成:冬対策の土間コン、沓脱ぎ石、ショートカット動線
駐車場の土間は、寒さも考慮して強度を高めた生コンで施工。
あわせて鉄平石の沓脱ぎ石で乗り降りを楽にし、銀鉄平の小道で“最短動線”も確保しました。
美しさと使いやすさを同時に積み上げるのが外構の醍醐味です。
そしていよいよカーポートも建ち、駐車場の土間打ちです!!
寒さ対策も考え、思いっきり強度を上げた生コンを打ちます。
シュートを使って降りる様な生コンではなく・・・
全て一輪車で運び、毎度おなじみの山田さんに仕上げて頂きます!!
山田さんに仕上げをお願いしてる間に、頼まれていた自然石の沓脱ぎ石をセット!!
今回はアプローチに合わせ、鉄平石の沓脱ぎをチョイス!!
ガッチリとした存在感で乗り降りが楽になりました!!
そして「駐車場からショートカット出来る道を」ということで
銀鉄平を使い小道を作りました。玄関前がより一層引き締まり、効果大です。
暗くなる前にはコンクリートも仕上がり、念のため帰りには投光器を当てて行きました。
門扉も取り付け、覗いてみました(^^)
目隠しを考慮しても十分に歩けるスペースを確保。
眺めの設計:リビングはやわらかく、和室は“和”に寄せる
外構・庭づくりは、外からの見た目だけでなく「室内からどう見えるか」が重要です。
リビング側はライトアップや樹形のやわらかさで心地よく、
和室側は石と植栽のまとまりで“和”を感じる景に。
同じ庭でも、見る場所で印象が変わるように調整しています。
そして建物の中に入らせて頂き、玄関脇、和室の窓からの眺め。
何も無かった時には憎いと思った雨も水鉢に溜まったり、庭石を濡らし・・・
とても貴重な存在となります。
そしてリビングからの眺め。
シンボルツリーのアオダモがとても感じが良い(^^)
ライトアップされとても綺麗で・・・
この日はクリスマスイヴだったのですが、クリスマスツリーに負けない美しさでした!!
デッキ越しに見るとそんなには和を感じさせないように考慮し・・・
コチラ和室からのイメージは和に近い雰囲気に仕上げました(^^)

土間コンも乾きいよいよ完成です!!
早速奥様に駐車して頂きました!!
もう庭で車が泥だらけになる事はありません(^^)

完成写真を一杯撮って来たのですが・・・
光の具合であまり良く撮れて無かったので再チャレンジしてきます(^^;)
四季で完成する庭:春の新緑と花が、庭の奥行きを引き出す
冬の完成から、春の追撮へ。
花木の芽吹きと新緑が出揃うことで、庭の奥行きと立体感が一気に増していきます。
カーポートやゲートも緑が入ることで馴染み、外構全体が“ひとつの景”としてまとまっていきます。
そして春!!
木々の緑が眩しい!!
こうなっているとつい奥まで見たくなっちゃう庭にになりました(^^)

単体ではどうしても浮いてしまうカーポートやゲートも
各所に緑をあしらってあげる事でなじんで来ます。

そして早速門を開け中に入ります。
鉄平石を踏みしめながら少し前であれば沢山の花たちに囲まれた
アプローチとなったでしょう(^^)
奥様にも喜んで頂けました!!

そうここの島だけでも・・・
シャクナゲ・ミツバツツジ・ジンチョウゲ・フッキソウが植わっており春を演出。
これからはヤマボウシ・ヒメシャラが咲きます(^^)

視線を玄関方向に向けると御影石のアプローチ!!
こちら側にも沢山の花を仕込んであります。
シャラ・カンツバキ・シロヤマツツジ・ホリカンツツジ・日陰ツツジ等。

この時期より少し前にお伺いした時はこの白いヤマツツジが良い感じでした!!

寂しい冬を越すと一斉に花が咲き始め春を彩ります。
そうこうしているうちに淡い葉が出始め新緑を感じさせてくれます。

ここのお宅に来るお客様もインターホンを鳴らして少し待つ間・・・
振り返るとこの景色(^^)

玄関先から今度はリビング前の主庭へ
シンボルツリーである大きなアオダモが鎮座しております。

優しく柔らかな葉をそよそよと靡かせる音は何とも言えない
「涼」と「安らぎ」を感じさせてくれます。
そしてもう一つ効果を狙ったのはこの木陰。
暑い時でも元気に遊び回るお子さんや、草取りの時などに一息付けられるように
木陰+腰掛けられるような横石を配置しました!!

庭の構成:4つのゾーンを繋げ、歩くほど表情が変わる設計
庭は一枚の絵ではなく、動くことで景色が切り替わる“連続する風景”。
ゾーンごとに役割と表情を持たせながら、全体としては自然につながるよう構成しています。
だからこそ「つい奥まで見たくなる庭」になります。
庭のゾーンは4ゾーンに分かれており、皆違った表情と役割を持っておりますが
こう見ると全て繋がっております(^^)
タイトルの回収:水鉢に四季を浮かべ、来訪者にも季節を届ける
この庭の象徴が、玄関前の自然石の水鉢。
咲いた花、落ちた葉、季節の色を水面に浮かべることで、暮らす方も、訪れる方も四季を感じられます。
さらに和室の地窓からも見える位置に据えることで、外構の“仕掛け”が室内の楽しみにもつながります。
そして最後にこの庭の題名であります「水面に浮かぶ四季の庭」
これは玄関前に置いたこの自然石で出来た水鉢に四季を浮かべる
という発想から名付けました。
このお庭では本当に数多くの花が四季折々で咲きます。
その花や葉を浮かべる事で、ここに住むお客様、そして来訪者の方に
四季を感じて頂けたらと思い、設置致しました。

この水鉢は和室の地まどからも見る事が出来ますので
二つの効果を期待出来ます(^^)

完成!!
|