コンセプト:京都の禅寺を想起させる石庭を“関東の暮らし”に落とし込む
京都に縁のあるご夫婦の想いを受け、ただの模倣ではなく、風土や価値観の違いも踏まえて
「この家で心地よく暮らせる石庭」に再構成していきます。
「着工前」
四季の住まいで建てられた和風住宅。
うちは直接の取引は一切ありませんが、このメーカーさんで建てられたお客様からの
ご依頼は結構多いです。
たぶん家とウチの作風が合うんでしょうね(^^)
着工前:高低差のある敷地を“弱点”ではなく“見どころ”に変える
建物が高い位置にある敷地条件は、設計次第で庭の奥行きと重厚感を生みます。
仕上がりGLとの差も含め、最適な地形づくりから逆算します。
ご覧の通り、建物がグッと高い位置にあり、高低差抜群(^^;)
当初の予定GLより20㎝位高く仕上がっておりました。
一瞬焦りましたが・・・
この高低差をガッチリ良い方向へ持っていきますよ(^^)v
窓が額縁になる庭:地窓・大開口・各室からの見え方を先に決める
庭は外だけのものではなく、室内からの“見える景色”が本質。
窓ごとに主役と奥行きを設定し、四季が映える一枚の絵をつくります。
各窓からの見え方もチェック。
この窓が額縁となり四季を彩る変化していく一枚の絵に仕上げていきます。
コチラの大きな開口も!!
そして玄関を開けて一番最初に目に飛び込んで来る地窓も(^^)

施工開始:雨でもぬからない砕石養生と、土盛りで土台を整える
まずは作業性と品質を確保する下準備から。
敷地のベースを整えることで、石庭の“線”と“面”が美しく決まります。
庭造りスタートです!!
まずは雨が降ってもぬからないように砕石養生。

砕石は女性オペレーターが建材を載せてくれる「井田建材」さん。
初めてのお取引にもかかわらず気持ち良く対応して頂き本当に感謝。
この場を借りてお礼申し上げます(^^)
そしてこれから土盛り作業。
良質の黒土をご用意。
バンバン運び入れます。
先行施工:後から入れない場所は先に。目隠しフェンス基礎を同時進行
庭が形になってからでは重機や資材が入らない箇所があります。
工程を読み、やるべき作業を先に潰して仕上がりを守ります。
並行して建物の西側に設ける目隠しフェンスの基礎も打設。
後からじゃ入れないので今のウチ。
分厚く打設完了!!
石庭の主役:六方石を“島”として構成し、表情の違いを積み上げる
六方石だけで庭を構成するのは難易度が高い分、決まれば唯一無二。
並べ方・高さ・角度を突き詰め、同じ表情にならない石庭へ仕上げます。
さて、お次は!!
このデッカイ六方石を市場にて入手!!
ガッチリ積み込みました!!
が・・・・
超重たい(泣)
ゆっくりと現場へ(^^;)

現場に到着したら早速据え付けスタート!!
長物も多いですがバランスのみ考え、カットせずに全て埋め込みます。
写真だとそう深く見えませんが・・・
結構深いです(^^;)
奥行き感や見た目のバランスを取りながらの作業。
全然捗りません。
試行錯誤しながら据え付け完了!!
やっぱり埋け込みが深い分難しかったです。
でも、ちゃんと狙った通りにいきました(^^)
鳥海石で高低差に挑む:石組で“土留め”と“景”を両立させる
高低差のある敷地は、石組の迫力が映える条件。
土を支えながら、視線を引き上げる“見せる構造”として組み上げます。
そして鳥海石の登場!!
足りない分を仲間の所からも分けてもらいながら積み込み。
大量の鳥海石を搬入!!
いよいよこの高低差にチャレンジ!!
最終的な土間の仕上がりを睨みながら一つずつ丁寧に据え付け。
真夏の炎天下の中の作業はかなり痺れます(^^;)
この頃の気温。
何と40℃!!
暑さに負けず熱い気持ちで作庭中です(^^;)
そして翌日にはサツキの植え付け。
こんなちょっとした緑が庭に入ってくるだけで、現場は砂漠からオアシスに
変わって行くように感じます。

サツキの植え込みと同時に駐車スペースの下地作り。
この部分もかなり低かったので相当な量の砕石が入りました。
本当に大量だったので(^^;)
お客様と相談し、普段は滅多に使わないリーズナブルなRC砕石を使用しました。
まだまだ土も大量に入ります!!
石の土留めの内側に石を組みながら土を補充していきます。
上段が平らになった所で、この隠しておいたデッカイ鉄平石を取り出します!!
ここまで大きく物の良い鉄平石はそうありません。
また出会える日を楽しみにしてます(^^)
真夏施工の品質管理:植木の養生と水やりで“夏でも負けない庭”へ
炎天下でも植栽のダメージを最小化するのがプロの段取り。
搬入~植え込み~潅水までを一気に進め、庭の立ち上がりを良くします。
鉄平石と同時に植木も載せていきます!!
真夏でもへっちゃらな様にちゃんと養生しているので、全然葉もへたりません(^^)v
でも、真夏。
現場に到着し次第植え込みますよ。
植え込んではタップリと水やり。
だいぶ庭らしくなってきました。
諏訪鉄平石のアプローチ:大判の一枚感で“歩き心地”と“格”をつくる
アプローチは家の顔。素材の良さと据え付けの精度が、そのまま空気感になります。
大判鉄平石で気持ちよく、凛とした導線に仕上げます。
そしてこの大きな鉄平石の据え付け開始。
裏では目隠しフェンスの柱と砂利入れが進行中。
夕方日が落ちてからタップリと水を掛けてクールダウン。
植木も喜んでます(^^)
鉄平も良い感じ!!
翌日も大量の材料を引っさげ現場に向かいます!!
運ぶ姿は何だか異様ですが・・・
植木を痛めない為の養生なんです(^^;)
この日持って来た植木を植えながら、このサツキちゃんの型取りとも言える刈り込み。
今回の切り口が今後の基準となりますので、しっかりと形を見ながら刈り込みます。
石と一体化して良い感じになりました!!
かなりコダワリの効いたアールに仕上げました。
そして鉄平石の続き。
周囲が出来てくるとだんだんとやりづらくなって来ます。
そして豪華な鉄平石のアプローチが完成!!
何とも言えない気持ちの良い歩き心地です(^^)
地を這うサツキも完成!!
石庭の維持管理:防草シート+砂利敷きで“雑草ストレス”を抑える
石庭は綺麗が続いてこそ価値があります。
既存土と新規土の間に高性能防草シートを入れ、長期的な管理性を高めます。
お次は石庭の仕上げ。
雑草の多かった土の上に土を盛っても草が出るだけ。
既存の土と新たに入れる土の間に高性能な防草シートを挟みます。
これによって、今までの草は下から出ることが出来ません。
そして大体に型取り。
苔を使いたい所ですが・・・
群馬で苔はほぼ無理。
玉竜を代用しました。
そして全面に防草シートを敷き込み砂利敷き。
性質の違う庭を仕切る御簾垣もセット。
目隠し効果もちゃんと狙っております。
そしてコチラでは門柱の製作開始!!
本鞍馬の飛び石:京都の記憶を“坪庭の一景”として仕込む
“ここで使わないでどこで使うの?”という素材の巡り合わせ。
鉄平石から鞍馬石へ切り替え、濡れた時の佇まいまで計算した坪庭へ。
丁度その頃、ある植木屋さんの社長から
「出物があるんだけど」と言う連絡ももらい・・・
聞いて見るとナント「本鞍馬の飛び石」
もう何も言わずに即買です(^^)
京都に縁のあるY様邸。
ココで使わないで何処で使うの?
って事で、坪庭に予定していた鉄平石を変更し鞍馬石へ。
濡れた時のこの佇まい。
言葉が出ません。
水鉢と雨落ち:水音・瓦・那智黒石で五感に効く静けさをつくる
禅寺の庭は“音”と“気配”が大事。
水鉢の水音、雨の日が楽しみになる雨落ちの納まりまで、空気を整えます。
その鞍馬石を伝っていくと・・・
これまた珍しい棒状の鉄平石で囲われた大盃の水鉢。
まだ水は出ませんが最終的に水音奏でる空間になります。
玄関開けて一発目に見えるこの景色。
良いでしょう!!
石庭の方も砂利入れ完了!!
雨落ち部分は瓦で囲み、那智黒石を敷き詰めました。
雨の日が楽しみになります(^^)
上段部分もいよいよ砂利入れ。
植栽部分とのメリハリが付いて良い感じに仕上がっていきます。
ブロック積みもいよいよ大詰め。
だいぶ形になってきたものの・・・
何かがたりない(^^;)
そう!階段(^^)
この高低差を消す最後の作業。
内側の重厚感に負けない様にビシッと御影石で仕上げます。

浮いてる様に見えた門柱がドッシリと座りました。
階段を仕上げながら駐車スペースの作業。
カーポートはあまり存在感を出したくなかったので・・・
色をサンシルバーに。
そして後は土間打ちと門柱の塗り!!
いつもの山田左官にお願いしてビシッと仕上がりました!!
御影石との相性もバッチリ!!
最後に照明関係と水道関係を接続して・・・
完成:窓ごとに表情が変わる「四季の一枚絵」が暮らしに溶け込む
庭の価値は、家の中にいる時間を豊かにすること。
地窓、縁側、書斎、和室…見る場所が変わるたびに景色が変わる庭が完成しました。
完成です!!
ガッチリと豪華な感じに仕上げながらも何処か優しい雰囲気のお庭が完成しました。
カーポート・車3.5台分の駐車スペースも確保し、実用性もOK(^^)
それではお庭を見てみましょう(^^)/
まずはY様邸のエントランス。
同系色の門柱に燻し銀の京伏間瓦。
門扉・ポストを黒で統一してキリッと仕上げました。
そして、御影石の階段。お子さんでも歩きやすいように段差を調節。
門柱脇には鳥海石を豪快に組みながらもサツキの曲線が優しく包み込み
圧迫感をあまり感じさせない仕上がりに。
高低差のある庭の面白いトコロです(^^)
そして、門扉を開けて中へ
一番最初に飛び込んで来るのがこの大きな諏訪鉄平石。
添えた石もかなり大きいですが、それを感じさせないサイズ。
見た目・歩き心地供に最高のアプローチです(^^)v

アプローチ脇にはお子さんの遊ぶスペースをタップリとりながらもアッサリとしたお庭を作成。
良株のソヨゴを中心として松・枝垂れ梅・ナツハゼ等の植木で構成致しました。
コチラには坪庭を作成。
ここは後でのお楽しみ(^^)
御簾垣の効果:目隠し・庭の仕切り・遠近感を一枚で成立させる
“遮る”ことで庭は深くなります。
視線のコントロールと庭の性格分けを同時に行い、奥をより遠く感じさせます。
再び鉄平石のアプローチに戻ります。
目の前に設けた御簾垣。
これがかなり効果的なんです。
縁側方向の目隠し、性質の違う庭の仕切りそして、奥をより一層遠く感じさせる遠近感。
設計当初からかなり重要な物の一つになっておりました。
そして、御簾垣をすり抜けると・・・
ご主人たってのご要望である
「京都の禅寺の様な庭」
当初の計画では違う石を構成して造る予定でしたが
市場にて良い六方石を発見!!
六方石だけで庭を構成するのは初めてだし、表情が皆同じなので難易度も高い。
でもそこはチャレンジ。
並べ方・高さ・角度それらを全てに集中し、一島一島違った表情のお庭に仕上げました。
お客様も大満足して下さり、やって良かった(^^)v
今後背景のブロック部分も仕上げていく予定です!!
そうすれば完璧。
さて玄関に入ってみましょう!!

先ほどの坪庭はこの一景の為に造ったと言っても過言ではありません(^^)
地窓から見える景色は最高の贅沢。
建物設計時から庭の構想が無くてはこれは造れません。
立ち上がっても楽しめる位置に本鞍馬を配置。
見え方・見せ方をフルに活用!!
そして部屋に入ると窓一枚一枚の庭。
縁側に出ればまた違った表情。
庭のバランスもそうですが、窓からどう見えるのか何度も見直し配置しました。
ご主人の書斎。
アップしてみると四季を彩る一枚の絵に。

格天井で仕上げられた和室。
裏庭は有効スペースがあまり無いので、シャラの木一本と鳥の水飲みだけ。
でも裏のお宅の植木を上手く借景として利用し、ちょっと良いスペースとなりました!!
最後に水打ちして場の空気落ち着かせます(^^)

濡れた石はまた違った表情を出し、とても良い感じ。

鉄平石も黒光りしてとってもカッコイイです!!
鳥海石に這わせたサツキも新芽が出て来て自然な雰囲気に。
水音は五感を刺激し、とっても癒されます。
今後が楽しみなお庭が完成しました!!
Y様記念撮影!!
この度は本当に長らくお世話になりました。
毎日冷たい飲み物をご用意して頂きスタッフ一同心より感謝しております。
とても気持ち良く作業させて頂き誠に有り難う御座いました(^^)


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