「石を歩む庭」
六方石のベンチと、濡れて輝くジャワ鉄平
外構は完成している。だが、「中」は未完成だ。
佐野市T様邸。外周りの外構は既にガッチリと完成していました。今回のミッションは、その内側。アプローチから主庭にかけての空間を、単なる通路ではなく「歩くことが楽しくなる庭」へと昇華させることです。
ご主人様お手製のバスケットゴール下テラスなどは活かしつつ、黒御影石、ジャワ鉄平、そして巨大な六方石を投入。職人の感性が炸裂する、熱い庭づくりの記録です。
着工前。ここからどう「奥行き」を出すかが腕の見せ所。
ご主人お手製のテラス。下地もしっかり。これは壊さず活かします!
1. 解体と再生:手掘りから重機投入へ
まずは既存のヌカり防止マットを撤去。初日は重機が入れるか不透明だったため、スタッフ総出で手掘りを敢行。しかし、翌日には重機(ユンボ)の投入が可能に。ここから一気にスピードアップします。
まずは更地に戻す。全てはここから。
初日の手掘り作業。職人の背中が現場を語る。
機械力投入!これで下地づくりが加速する。
シンボルだったシマトネリコを移植。新たな役割を与える。
機械を使って徹底的に転圧をかける。表面を綺麗にするのは当たり前。見えなくなる地中の「強さ」こそが、数十年後の美しさを担保するのです。
2. 骨格を作る:黒御影ピンコロとジャワ鉄平
下地ができたら、黒御影石のピンコロでゾーニング(区切り)を行います。そしてアプローチには「ジャワ鉄平」を乱張り。国産よりも色幅があり、モザイクのような美しい表情が生まれます。
黒いラインが入ることで、空間が引き締まる。
パズルのように石を合わせる。無限の忍耐が必要な作業。
目地を入れると、石の輪郭がくっきりと浮かび上がる。
同時進行で主庭も造成。良質な土で高低差をつける。
3. 緑を差す:ピンクの花咲く「夜明け前」
石の硬さを和らげるのは植物の役目。今回選んだのは、シャラの木「夜明け前」。珍しいピンクの花を咲かせる品種です。その他、ソヨゴやイロハモミジを配置し、四季を感じられる空間へ。
緑が入った瞬間、現場の空気が涼やかに変わる。
これが「夜明け前」。樹形も抜群の一本。
4. 六方石の咆哮:立てずに「寝かせる」贅沢
今回の主役、巨大な「六方石」の登場です。通常は立てて門柱などに使いますが、今回は贅沢に「寝かせてベンチ」として使用。デッキの向かい側に設置し、BBQの語らいの場を創出します。
トラックの限界に挑むサイズ。圧倒的な質量。
慎重に、慎重に。位置が決まれば、そこが特等席になる。
大人3人が余裕で座れるサイズ。ここに腰掛け、デッキに置いたコンロで焼いた肉を食べる。そんな最高の休日をイメージして据え付けました。
存在感抜群。庭の「核」が定まりました。
デッキとベンチの間が、最高のパーティー会場に。
5. 細部へのこだわり:見せる機能美
仕上げにも手を抜きません。露出していたブロック基礎は、新たにブロックを積んで花壇化。サイクルポート下はメンテナンスを考え、あえて石を張らずに白い土間コンクリートで機能的に仕上げました。
使う場所は機能的に。白の土間が清潔感を演出。
むき出しの基礎も、花壇にすれば「見せ場」になる。
渋い色合いの大磯砂利。濡れるとさらに良い色に。
立水栓周りは那智黒石で引き締める。
完 成:水と光が織りなす「石の表情」
昼は爽やかに、夜は幻想的に。そして雨の日こそ美しく。
石を知り尽くした田熊造園ならではの仕上がりをご覧ください。
着工前とは別世界。歩くたびに景色が変わる庭。
玄関とリビングの視線をさりげなくカット。
水打ち後。ジャワ鉄平の色が一気に鮮やかに。
このコントラストこそ、石庭の醍醐味。
魅惑のナイトシーン
仕事の疲れも吹き飛ぶ、癒やしの帰宅路。
ホタル族のパパも、ここなら一服が美味しいはず(笑)
ここで晩酌。最高の贅沢です。
光に照らされた木々は、昼とは違う顔を見せる。
T様、「想像以上!」との最高のお言葉、感無量です。
毎日の冷たい差し入れ、本当にありがとうございました。
これからは、この庭で最高のBBQライフをお楽しみください!
