有限会社田熊造園土木 群馬県千代田町

10年の時を経て、庭は「景色」から「居場所」へ。

大泉町K様邸。10余年前に造られた庭。今回の工事は、今あるものをすべて撤去し、更地にしてから造り直す大規模リフォームです。コンセプトは「モダンな和風」「一歩前に出て庭を楽しめること」「デッキの上で緑に包まれる体験」。奥様ご要望の「舞台のようなデッキ」と「飾れるウッドフェンス」を中心に、伝統の技術に新しい発想を加えた、癒しの空間再生の記録です。

1. 解体と更地化:空間のポテンシャルを拓く

10月22日、友引。快晴の着工。まずは既存の塀を解体し、搬入経路を確保することから始まります。長年家族を見守ってきた樹木も一度伐採伐根し、完全に更地へ。更地にしてみると、敷地の本当の広さと可能性が浮き彫りになります。

既存の塀の解体作業
解体前の内側の状況
伐採・伐根の進捗
更地になった敷地
整地完了後の全景更地完了。ここから新しい物語を書き込みます。
「庭は、水道が通って初めて生きる。」水やりは毎日のこと。一番使いやすい場所に水道を分岐して繋ぐ。この地味な配管作業こそが、後の庭との付き合いやすさを決める。

2. 基礎と搬入:命の源流を引く

新しい庭の奥まで水道を引き込みます。穴を掘り、既存管から分岐。市場直送の新鮮な植木と、秋田から届いた鳥海石を搬入。落葉樹を中心とした、四季の移ろいを感じる素材が揃いました。

水道の掘削作業
水道の接続
通水確認
植木の搬入

3. 作庭:シンボルツリーと石の呼吸

今回の真木(シンボル)はアオハダ。鳥海石、六方石、浅間の焼け石を織り交ぜながら石を組み、木を植えていきます。かつての脇役が主役に変わり、庭全体に堂々とした骨格が宿ります。

石組みの開始
奥からの植栽
アオハダの植栽
植え付けの微調整
カエデの紅葉植えた瞬間に見せてくれた、コハウチワカエデの見事な紅葉。
庭の形が見えてきた様子

4. 木工:舞台を創る、天然木の温もり

台風の中、市場で厳選した諏訪鉄平石。アプローチを敷設し、夜間照明を仕込みます。ウッドデッキとフェンスはレッドシダーを3度塗り。現場で一つずつ刻み、建物にフィットさせていきます。まさに「舞台」の完成です。

逆側からの風景
鉄平石の選別
夜間照明の設置暗くなるのが早い季節、津久井君が遅くまで頑張ってくれました。
鉄平石の敷設完了
木材の塗装
塗装完了材の積み込み
フェンスの組み立て
完成間近の夜間作業
10mに延長されたフェンス
デッキ施工1
デッキ施工2
デッキ完成と石組み

5. 仕上げ:下草と水の調べ

デッキが完成し、石の固さを和らげる下草の植え付け。タマリュウでふんわりとしたマウンドを作り、寒椿やツツジを配します。最後にお気に入りの水鉢を据え、いつもの「紅葉浮かべ」で魂を込めました。

石組みの微調整
細部の仕上げ
天然木の質感
砂利入れ1
砂利入れ2
全体景
アプローチ景
デッキからの眺め
タマリュウの植え付け腰にくる重労働ですが、この一株一株が数年後の美しさを作ります。
赤土でのマウンド成形
低木の植栽
寒椿の開花
タマリュウの定着
スプリンクラーでの水やり
水やり後の瑞々しさ
植え付け完了
下草と石の調和
お気に入りの水鉢
水鉢に浮かぶ紅葉水音を耳で感じ、季節を目で追う。これが日本庭園の贅沢です。

完 成:育ち続ける「家族愛」の舞台

完成直後、奥様に布やオブジェで飾り付けをしていただきました。庭に視点が定まり、まさに「舞台」が幕を開けた瞬間です。 庭は完成して終わりではありません。お客様が手を加え、飾り、愛でることで成長し続けます。

完成:メインポジション
完成:デッキと石組み
完成:夕景のアプローチ
完成:濡れた石の表情
完成:水場と石
完成:フェンス越しの緑
完成:奥行きある動線
完成:奥様によるデコレーション庭というキャンバスに、家族の彩りが加わりました。

Four Seasons - 巡る季節を愛でる庭 -

初夏の芽吹き年が明け初夏。清々しい緑の風。
根付いたタマリュウ
雑木の木陰木陰が最高の涼を与えてくれます。
石に生えた苔石が庭に馴染み、苔が歴史を刻み始めました。
ハウチワカエデの枝ぶり
ツリバナマユミの実1
ツリバナマユミの実2お客様から届いた嬉しい便り。実が揺れています。
紅葉の庭1
紅葉の庭2
雨の日の情緒雨の日こそ、モダン和風の庭は美しさを増す。
落葉の美
晩秋の景

K様、毎朝の美味しいコーヒー、そして大切なお庭の再生を託していただき、本当にありがとうございました!
飾られるオブジェを見るたび、私たちも新しい発見をさせていただきました。
これからも、この「舞台」でたくさんの想い出を育んでください!