プロが創る骨格、
お客様が描く彩り。
館林市Y様邸のコンセプトは「共創(コラボレーション)」。
モダン和風の建物に相応しい重厚な外構、その「大枠」を私たちが造り上げ、植栽や石の配置といった「仕上げ」はお客様ご自身の手で行う。
完成引き渡しがゴールではない。そこからご家族と共に育っていく、未来への楽しみを残した庭づくりの記録です。
構想:和モダンへのアプローチ
洗練されたモダン和風の邸宅。お客様のご要望は「しっかりとした和の庭」。建物が持つ品格を損なわない、力強い外構計画が始動します。
まずは境界を確定させる外周りの囲いから。プライバシーを確保しつつ、敷地全体の輪郭を明確に描いていきます。
敷地の高低差を巧みに解消し、サブ駐車場を造成。機能性を確保しながら、土留めとしての強度も計算に入れています。
正面エリア。ここが主庭となり、メインの駐車スペースとなります。家の顔となる重要な場所、一切の妥協は許されません。
礎:幻の素材と職人の技
基礎の生コン養生期間を経て、いよいよブロック積みへ。見えなくなる基礎部分こそが、構造物の寿命を決める最重要ポイントです。
採用したブロックは「エスビック スマートC」。和の風合いを持つその質感は、建物の雰囲気と絶妙に調和します。
門柱に使用したのは「町田コーポレーション 本御影500」。非常に趣のある素晴らしいブロックですが、惜しくも生産中止に。この現場が、その美しさを刻む貴重な証となりました。
アプローチには贅沢な大判の御影石を採用。この圧倒的な石の質量が、エントランスに「格」を与えます。
構築:重厚と機能の融合
階段部分には900×450サイズの御影石平板を敷設。歩を進めるたびに感じる石の安定感が、訪れる人を厳かに迎え入れます。
石張りが完了し、重厚感たっぷりのエントランスが出現。黒とグレーのコントラストが、空間を引き締めます。
広大な駐車スペース。全面コンクリートではなく、砂利と組み合わせることでコストダウンを実現しつつ、デザイン的なアクセントも加えます。
コンクリートの美しさは「型枠」で決まります。ミリ単位の精度を追求し、シャープなラインを作り出します。
完成:そしてお客様の手へ
一週間の養生を経て型枠を外し、防草シートと砂利を投入。グレーのコンクリートと白砂利の対比が美しい仕上がりに。
照明には丸太の質感を意識したLEDポールライトを選択。夜には柔らかな光が足元を照らし、和の風情を演出します。
ブロック上部には「御簾垣(みすがき)」を設置。完全な壁ではなく、竹の隙間を感じさせるこのフェンスが、圧迫感を消しつつ視線を遮ります。
囲いが完成し、我々の任務は完了。植栽は門柱脇のソヨゴのみ。ここから先は、お客様のセンスが光るステージです。
最後にお客様が沖縄で入手されたシーサーを設置。盗難防止のためカチッと接着し、この家と庭を末永く見守ります。
門柱の位置、竹垣の高さ、すべては計算された「機能美」です。
これから週末ごとに、お気に入りの石を探し、好みの植物を植える。
「庭を育てる楽しみ」という最高の贅沢を、心ゆくまで味わってください。